(その8)


【京都】の散歩みち−伏見区編
投稿日 1996/11/20

 今回は前回の続きで歴史と酒蔵の町、伏見区を散策します。

 出発は、京阪藤森駅前から。 京阪を下車して、疎水を渡り(今回は何度も川を渡ります)、再び本町通りを南下します。 しばらく行くと「藤森神社」の北門が有ります。ここはアジサイの名所として有名です。初夏の頃は見物客で一杯になりますが、私が訪れた時は静かでした。本殿脇に「不二水」と名づけられた湧き水があります。伏見の銘酒を生む地下水です。 競べ馬も行われる馬場(この神事にちなんで、競馬の神様にもなっています(^^;) を通って南門から、本町通りへ戻ります。

 墨染の駅前で西へ折れ、「墨染寺」と「欣浄寺」へ。欣浄寺は「伏見大仏」とも言われ、本堂はコンクリート造りですが、中に丈六の大仏様が鎮座されています。また小野小町との悲恋物語で有名な深草少将の屋敷跡で少将ゆかりとつたえられる井戸のある庭もあります。

 欣浄寺を出て師団街道をまた南へ。途中「撞木町遊郭大門」の文字を見つけて、「島原」のような花街を期待して(^^;横道へそれたら、遊郭跡の碑がぽつんと有るだけでガッカリ(^^)。

 24号線を渡って、伏見の中心街へ入ります。丹波橋通りを西へ進み濠川にかかる「丹波橋」を渡ると、ポスターで有名な小川に向けて立つ酒蔵の風景の場所です。冬場の寒仕込みに向けて酒蔵も活気があるようです。

 いくつもの酒蔵の横を通って、大手筋の商店街にでます。ここからアーケードを東に歩き、「御香宮」へと参ります。ここは伏見の総鎮守社で、御酒の神様です。伏見の清酒はこの境内から湧き出す「御香水」によって生まれました。伏見の地名も地下水を意味する「伏水」からとられたと言われています。

 さらに山へ向かって歩きJRの踏み切りを越えて、「桃山御陵」と「乃木神社」 に向かいます。明治天皇の崩御に殉死した乃木将軍は死後も天皇のお側に御仕えし ています。コンクリート造りの「桃山城」は遊園地なので(^^)パスして、再び大手筋へと戻 ります。(管理者注−桃山城の遊園地も2003年に閉鎖されました。京都市内から遊園地がどんどん無くなっていきます。)

 竹田街道まで出たら、一筋南の和菓子の駿河屋さんの角をまがって、「油掛地蔵 (西岸寺)」へ参ります。この御地蔵様は油を掛けて祈願するのですが、その由来は、昔、山崎の油商人がこの地蔵様の前で、油をこぼしてしまった、それで、残っ た油を地蔵様に掛けて帰ったところ、この商人は商売繁盛で大もうけした。と、いう伝説から来ています。

 西岸寺の斜め向かいは伏見の新名所「キザクラカッパカントリー」です。河童のコマーシャルで有名な黄桜酒造が作ったお酒の資料館兼レストランで清酒はもちろん、地ビールも楽しめます。コーヒーブレイクならぬ、ビールブレイクでちょっと一服(^^;

 すっかり出来上がって、もとい(^^)、元気を取り戻したところで、次は「寺田屋」 へ。坂本竜馬の寺田屋事件で有名な旅篭屋ですが、もちろん今も営業しています。お泊りだけでなく、休憩や見学だけもできます。部屋にはその時の刀傷が今でも残 っています。

 寺田屋を出て、宇治川派流の遊歩道を歩きます。途中で変ったものを見つけました。「御大典記念宇治川埋立記念碑」なのですが、その建立者の肩書きが「伏見市長」と、なっています。「伏見区長」の間違いではありません。昭和の始め、伏見地区は独立した「市」でした。わずか2年間で京都市に合併され、幻の「市」にな ってしまったのです。

 月桂冠のブランドで有名な大倉酒造の「大倉記念館」が宇治川派流に黒壁を見せて並んでいるのを見ながら、「長建寺」へ入ります。ここは中書島の弁天さんの名で親しまられています。ここに「中書島」の由来を書いた説明板が立っています。 それによれば、ここには昔、脇坂淡路守の屋敷がありました。お殿様が中務卿に任 じられたのですが、中務省を中国では中書省と呼び、宇治川が改修されるまでは、 この付近は宇治川の中洲で島になっていたので、中書さんの島で「中書島」となっ たのだそうです。

 その、京阪中書島駅前を通って、「伏見港公園」に向かいます。ここはかつての 伏見河港のあとで、屋形船や屋形船をかたどったベンチ、時代がかった、水門など があります。陸上交通が未発達の時代、淀川も三十石船に代表される水運が発達し ていました。伏見港には大阪方面から物資が運ばれ、京の都へと送られていました。 陸上交通の発達とともに水運は衰え、今は観光用の屋形船にのみ、その面影をとど めています。 宇治川の河原から観月橋を望めば今日の散歩はお終い。

 もう一度酒蔵へ戻って、 飲み直すことにしましょうか(^^;  

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 お疲れ様でした。次回は、南から北へバスで移動して、北区と左京区を散歩することにしましょう。


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